今年、初めて「十勝24時間レース」の実況アナウンサーを務めることになったピエール北川さん。
しかしピエールさんにとっては24時間レースのアナウンスを担当するのは初めてのことではないそうです。これまでにフランスで行われている「ル・マン24時間レース」の日本語アナウンスをされた経験がおありなのです。
「荒聖治選手が優勝を飾った年など、3〜4年ル・マン24時間の日本語アナウンスを担当していました。2時間に1回ずつ状況を日本語で伝えるという内容なのですが、グループCが中心の時代からル・マンでは日本語放送がありました。
フランス語、英語、ドイツ語、そして日本語を、それぞれの担当者がリレーしていく形でアナウンスしていたのです。その後、オランダ語が加わって、五カ国語になりました。
ところが最近は日本から参戦するチームが減ってしまったので、日本語が外れてデンマーク語の実況に代わっています。」
ル・マンで24時間レースを経験してきたピエール北川さん。
レースアナウンサーにとって"24時間耐久レース"というのは、どのようなものなのでしょう。
「戦っているクルマもチームの皆さんもそうですが、僕たちレースアナウンサーにとっても24時間耐久は"限界への挑戦"みたいな感じがします。
また、24時間というのは人間の営みにとってはひとつの基本単位である"一日"そのもの。それを全てレースに使ってしまうというのは、とても贅沢なことであり、同時に随分と無謀なことでもあると言えますよね。
寝て、起きて、活動して、食べて、また寝る。この一連の流れが一日というサイクルだと思うのですが、これを全て使ってレースをする24時間耐久には、特別なものがあるという感じがしますね。」
十勝24時間レースのアナウンサーを担うことになったピエール北川さん、本番まで残り2ヶ月を切った現在、どのような抱負をお持ちなのでしょうか。
「やはり特別なレースですから、そこに仕事として携われるのは名誉なことだと改めて思います。
そして15回目という節目の記念すべき年に声をかけていただけたので、自分が実況したことによって長年に渡って観戦に来られているファンの皆さんが『今年の実況は良かった』と思っていただけるように頑張りたいと思います。
今、自分としては十勝24時間のアナウンスを出来るということで、理屈抜きにワクワクしています。」
近づきつつある十勝24時間レースの本番に向けて熱く抱負を語ってくれたピエール北川さん。
しかし、なんと言っても24時間の長丁場、もちろんその全ての時間で実況を担当するわけではないが、どんなアナウンスを楽しませてくれるのでしょうか。
「僕はアナウンス学校出身とかではないので、ぶっちゃけた話"居酒屋トーク"的なノリもあると思うんです。
これは言っても良いのか悩むところですが・・・、ル・マン24時間レースでもメインアナウンサーと交代して夜中のパートを担当されるアナウンサーさんがいらっしゃるのですが、この方はなんと赤ワインを呑みながら喋っているんですよ!
最後の方は酔っぱらってしまって、呂律が回らなくなっていることもあるような気が・・・(笑)。
そんなことは不謹慎かもしれませんが、24時間レースならではだとも思えるんです。だって、24時間は"生活サイクルそのもの"ですから、お酒だって呑むのもアリなのかな、と。
もちろん僕が十勝でビール片手に実況するようなことはありませんが(笑)、スタートやフィニッシュ、随所で展開されるバトルといった大切なところをきちんと押さえた上で、あとはドライバー個々にフォーカスをあてたり、居酒屋トーク的にモータースポーツを大いに語ってみたりも出来ればと思っています。
時にちょっと肩の力を抜いたトークがあっても良いと思いませんか?
もちろんその上で、定期的に順位などの必要な情報は皆さんにしっかりお伝えしていきます。」
今年の「十勝24時間レース」は、ピエール北川流のレースアナウンスが、レースをより盛り上げてくれること間違いなしでしょう。
ぜひピエール北川さんのレースアナウンスにも注目して、「第15回 十勝24時間レース」を隅々までお楽しみください!