−今年の「十勝24時間」を振りかえると、どんな戦いでしたか?
小林選手 :
決して楽な展開ではなかったので大変でした。雨は降るし、路面コンディションも予想以上に悪くなるしで、チェッカーを受けたマシンの疲弊具合でも荒れた展開という一面があったことを見てとれましたね。
村田選手 :
うちのチームは例年、夜が明けた午前7時が鬼門だったのです。ここを無事に乗り越えれば良い結果につながることが多かったと記憶しています。
一番コンディションの悪かったオイルまみれのウェット路面を且雄さんが乗り切ってくれて、ライバルが次々に自滅していく中でラップタイムをコントロールしてくれたことが、一番の勝因だと思っています。
小林選手 :
ホント、自分のパートで不利な状況が多かったですね。スリックタイヤでウェット路面とか、その逆とか(笑)。しかし、クルマを壊さずに次につなげられたのは良かったですし、みんなが頑張ってくれたことが勝利につながりました。
−過酷な戦いの内容をもう少し具体的に教えてください。
小林選手 :
実は去年の十勝ではとても悔しい負け方をしたので、今年は何としても「勝ちたい」と思って北海道に乗り込みました。去年は最後に追い上げましたが十数秒足りなかったのです。
今年は午前10時頃に交代して、ドライ路面でプッシュしていく戦略でした。
1スティントをプッシュしながら走っている途中で「もう1スティント行けるか?」とピットから言われたのですが、その時は「考えさせてくれ」と即答しなかったのです。
ここで村田選手に一旦交代して最後に自分がいくか、それともこのままプッシュを続けてマージンを稼ぐか。正直なところ自分自身の身体も、そしてタイヤもきつかったのです。それからはじめに1スティントに照準を合わせてスタートしているので、走り方もタイヤの使い方も、そして自分自身のコンセントレーションも整理する必要がありました。
そんな事を考えた結果は「もう行くしかないだろう」と。
結局は2スティント連続で走って2周くらいのマージンを稼げましたから、最後を担当した村田選手は気楽に走れたでしょう(笑)。
村田選手 :
今回うちのチームは僕以外はSUPER GT経験者が揃いました。
そんな環境ですから、自分としてはとても勉強になりました。いつも皆さんには厳しいことを言われますが、とても良い刺激になります。特に且雄さんは必要な時ははっきりと怒ってくれたりしますが、これには本当に感謝しています。
−久しぶりのグランプリコース開催はいかがでしたか?
小林選手 :
それは長い方(グランプリコース)がいいでしょう。コース上での混雑も少ないし、せっかくあんなに良いコースがあるのだから全部使った方がいいですよね(笑)。
村田選手 :
昨年までのコース(クラブマンコース)とどちらが良いかと聞かれたら、やはりグランプリコースを選びますね。
小林選手 :
乗っていても90秒そこそこで1周というのは忙しいですしね。
マシンにとっては24時間というレースの長さそのものが過酷なので、かかるストレスはどちらのコースでもあまり変わらないのではないかな?
−「十勝24時間」を勝つ、ということの意味は?
小林選手 :
シリーズを戦う上ではとても大きな勝利です。
村田選手 :
僕は何回か十勝24時間に参戦していますが、実は今回が初めての優勝です。
終わってみると、「勝つときというのはこんなに物事が順調に進むものなんだ」と驚いています。
小林選手 :
やはり十勝24時間を計算通りに走ることが出来て、勝てたということの収穫は大きいですよ。
それはドライバーにとっても普段のレースより長い距離を走ることになるわけですし、クルマにとっても耐久性やポテンシャルが白日の下にさらされるのが十勝24時間だから。
それゆえ、十勝24時間で勝つと、チームのみんなが自信をつけますね。
−今年の後半戦に向けての抱負を。
小林選手 :
一言で「勝ちたいね!」。
今年は個人的にも、なんとしてもスーパー耐久でチャンピオンを獲得したいと思っています。ここまでも良い流れで来ていますし。
あとは若い二人(長島正興選手と村田選手)が頑張ってくれれば。いつも俺にプッシュさせるのではなくて、たまにはマージンを持ってきて楽させてほしいよね(笑)。
村田選手 :
それは長島選手とも良く話をしています。
僕たちが後半戦は、もっと気合いを入れてチャンピオンを獲得出来るように頑張ります!