既にSTクラス1とSTクラスSではタイトルが確定している2006年のスーパー耐久シリーズ。
迎えた第6戦、舞台は秋の色香が漂う宮城県・スポーツランドSUGO。
さすがに岡山まで続いた猛暑はなかったものの、戦いの方は一層熱を帯びた内容となった。
特にチャンピオン確定の可能性が高かったSTクラス2とSTクラス3の戦い見どころ満載。SUGOの特性として両クラスのラップタイムが拮抗することもあり、終盤まで目の離せない展開となった。

STクラス1は既にタイトルを確定させている「ARTA DENAG GT3」(田中哲也／新田守男)が公式予選でポールポジションを獲得、前戦・岡山でライバルに譲った"指定席"を取り戻した。
決勝は文句のつけようがない貫祿のレース運びを見せ、岡山同様に新田→田中→田中のリレーで2回目のピットストップではタイヤ無交換でレースに復帰する横綱相撲ぶり。
これで負け無しの開幕6連勝。前人未到のシリーズ全勝による完全制覇へのマジックを「1」とした。

タイトルに王手をかけた「オーリンズ・ランサーEVO・MR」(中谷明彦／木下隆之)の戦いぶりに注目が集まったSTクラス2。
クラスポールからスタートした中谷組は序盤こそライバル勢の猛追を受けたが、周回を重ねる毎に着実にマージンを稼いでいく。
「RSオガワADVANランサー」(小川日出生／砂子塾長／阪口良平)は急遽強いられたエンジン交換の影響もあって伸び悩み、「FUJITSUBO hpi IMPREZA」(吉田寿博／小泉和寛)も400kmレースながら2回のピットストップ義務で燃費の良さを活かしきれず、中谷組が優勝でタイトルを奪還した。

STクラス3は前戦に続いて予選で岡部自動車のRX-7勢がトップ3を独占。
決勝でもこの3台を軸に競い合う展開となり、そのなかで最後まで上位グループに留まったのはシリーズリーダーの「岡部自動車アドバン洗剤革命RX-7」(長島正明／古谷直広／植松忠雄)。
優勝にこそ届かなかったものの、「eeaA-ings Z」(大井貴之／堀田誠／赤鮫オヤジ)と序盤から繰り広げられた接戦をチェッカー間際に長島が制して2番手でチェッカー。2002年以来、2回目となるシリーズチャンピオンの栄冠を手中にした。

シリーズランキング争いで上位2チームが拮抗しているSTクラス4。
予選ではランキングトップの「P.MU Racing MACAU YH INTEGRA」(山野直也／Henry Ho)が、2番手の「ロイヤルハウスHondaCars静岡東YH.ED.DC5」(前島秀司／山本すばる／花岡隆弘)を0.5秒抑えて今季4度目のクラスポールを獲得。
決勝は波乱含みの展開で山野組も一時は3番手に後退したが、前島組のペナルティストップなどもあって最後は山野組にウィニングチェッカーが降り下ろされた。これで最終戦、山野組は4位以上でタイトル確定となる。