後半戦に突入した2006年のスーパー耐久シリーズは、第5戦は舞台を西日本に移して岡山国際サーキットで開催された。
この岡山、そして次のSUGOと続けて400kmという比較的短い距離でのレースが続くことになるが、それはよりスプリント色が濃くなることを意味しており、十勝、富士と続いた長時間レースとはまた異なったバトルが展開されることになる。
シリーズタイトルの行方も気になってくる頃だが、岡山では2つのクラスで早々にチャンピオンが確定した。

STクラス1開幕以来続いていた「ARTA DENAG GT3」(田中哲也／新田守男)のポール獲得を、「ニコカットGT3」(谷川達也／清水康弘)が阻止。
十勝24時間は欠場したニコカットだが、これまでも随所で光る走りを見せており、今回も決してARTAにヒケを取らない戦いぶりを見せた。
しかし、やはり総合力ではARTAが一枚上手だった。終盤、ニコカットの谷川達也選手が猛追するも一歩及ばず、ARTAが5連勝。
十勝24時間の優勝で獲得したポイントも功を奏して、2戦を残して早々にシリーズチャンピオンの栄冠を手中にした。

STクラス2は前戦トラブルに泣いた「オーリンズ・ランサーEVO・MR」(中谷明彦／木下隆之)が、その借りを返すかのような快走を披露。
予選ではコースレコードを更新してポールを獲得、決勝でも終始危なげ無い走りでライバルを圧倒。
富士を制して勢いに乗る「RSオガワADVANランサー」(小川日出生／砂子塾長／阪口良平)の追撃を寄せつけず、圧勝で今季4勝目を飾った。
3番手は「エンドレスアライアドバンGDB」(峰尾恭輔／木下みつひろ)、初の表彰台獲得でラリージャパンに参戦した新井敏弘の留守を守った。

STクラス3は予選で岡部自動車のRX-7がトップ3を独占する韋駄天ぶりで、ロータリーパワーを改めて見せつけた。
この中で決勝で一歩先を行ったのが「MAKERS ISHIHARA MARINE RX-7」(白井剛／加藤正将)。他の2台のRX-7が後退を余儀なくされていく中で、、安定したラップを刻んでスーパー耐久参戦3年目にして嬉しい初優勝を勝ち取った。
2位は「C-WEST ADVAN Z」(山田英二／谷口行規)、3位は「ハウスコンサルタントADVAN Z」(塩渕誠二／加納政樹／牧田克哉)とZ勢が続いた。

STクラス4は第4戦を終えて同点でシリーズトップの座を分け合う「P.MU Racing MACAU YH INTEGRA」(山野直也／ヘンリー・ホー)と「ロイヤルハウスHonda Cars静岡東YH.ED.DC5」(前嶋秀司／山本すばる／花岡隆弘)の勝負の行方に注目が集まった。
結果は明暗が分かれ、ポールスタートのP.MUが好調にラップを刻み続けたのに対して、ロイヤルハウスはセッティングをミスしてしまいタイヤ摩耗も予想外に進む苦しい展開に。P.MUは今季3勝目を飾り、2位のロイヤルハウスに5点差をつけて単独シリーズリーダーに立った。

十勝24時間以来となる3台の参戦が実現したSTクラススポーツ。
これまで十勝を含む3連勝中の「NSC J'S RACING S2000」(梅本淳一／植田正幸)だが、コンピューターのトラブルによって決勝では何回もピットインを強いられてしまう展開に。
代わってトップに立った「MSFシーケンシャルS2000」(梅川真明／安田裕信)も、ルーティンピットでエンジン再始動に手間取ってタイムロス。
この間に「アクティブハイドロゲンウォーターS2000」がポジションアップ、その結果NSCは3位入賞でシリーズタイトルを確定した。