十勝24時間を終えて、実質僅かに2週間少しのインターバルを経てシリーズは第4戦を迎えた。
舞台はF1開催も決まった静岡県の富士スピードウェイ、シリーズ中で十勝に次ぐ長丁場となる4時間耐久「SUPER TEC」である。
既に梅雨も明けているだけに厳しい猛暑が続くレースウィークは、やはりサバイバルなバトルの様相が時間と共に色濃くなっていく。
シリーズも折り返し、そろそろタイトルの行方も気になってくるだけに、この富士での結果は終盤戦にどんな影響を与えるのだろうか。

STクラス1は「ARTA DENAG GT3」(田中哲也／新田守男)が圧倒的な強さと安定感を見せつけた。
対するライバルは十勝を欠場した「SEICO carrera racing PORSCHE 911GT3」(佐々木孝太／宮川やすお)がスタートからARTAを追ったが、20周でドライブシャフトのトラブルに見舞われて万事休す。
結局、今回もARTAが横綱相撲を見せつける展開で開幕4連勝を飾り、次戦・岡山ラウンドでのチャンピオン確定の可能性が高くなってきた。

STクラス2は決勝スタートから約1時間で、常勝「オーリンズランサーEVO IX」(中谷明彦／木下隆之)がサスペンショントラブルに見舞われて後退するという番狂わせが生じる。
代わってトップを争ったのは「FUJITSUBO hpi IMPREZA」(吉田寿博／小泉和寛／松田晃司)と「シーケンシャルエンドレス座間」(HINOKI／WADA-Q／大瀧賢治)。しかし、時間が過ぎるとともに存在感を増したのは「RSオガワADVANランサー」(小川日出生／砂子塾長／阪口良平)で、STクラス2で唯一2ストップ作戦を成功させ、今季初優勝を飾った。

STクラス3で快調な走りを見せたのはスタートから間もなくしてトップに立った「C-WEST ADVAN Z」(山田英二／谷口行規)。十勝24時間でも3位表彰台を獲得しているだけに上り調子そのもので、見事にトップでチェッカーを受けた。
しかし、レース後の再車検で燃料搭載量が規定以上であったことが発覚、失格の処分を受ける。
これで順位は繰り上がりとなり、「岡部自動車アドバン洗剤革命RX-7」(長島正明／古谷直広／植松忠雄)が今季2勝目となった。。

STクラス4は「P.MU Racing MACAU YH INTEGRA」(山野直也／ヘンリー・ホー)が鈴鹿以来今季2回目のクラスポールポジションを獲得。
決勝では「RISO☆BP☆アドバンDC5」(金森敏一／星野薫／水谷大介)とハイペースなトップ争いを演じるも、RISOがイエローフラッグ無視でペナルティを受けて後退。
その後、P.MUは2度に渡るタイヤトラブルに見舞われたものの、ハイペースランで稼いだ"貯金"も効いて堂々のポール・トゥ・ウィン。ランキング争いは2台が同点でトップに並ぶ展開となった。

第2戦の鈴鹿と同様にJ'S RACINGから2台のS2000が参戦したSTクラスS。
十勝にも参戦した99号車「アクティブハイドロゲンウォーターS2000」(坂本祐也／長野賢也)はカラーリングを全面変更、一際注目を浴びた。
しかし決勝では、99号車が燃料系トラブルに襲われてしまい、早々に姿を消してしまった。残った「NSC J'S RACING S2000」(梅本淳一／植田正幸)は安定したラップを刻んでチェッカーを受けて3連勝を飾ることに成功。初代STクラスSチャンピオンにまた一歩近づいた。